株式投資を始める前に知っておきたい基本
株式投資とは、企業が発行する「株式(=会社の持ち分)」を購入し、株価の値上がりや配当金によって利益を得る仕組みです。
近年では、スマホアプリやネット証券の普及により、少額からでも手軽に始められるようになりました。
「将来の資産を増やしたい」「老後資金を自分で準備したい」という理由で、20代から50代まで幅広い層が投資を始めています。
しかし、いざ始めようとしても「どこの証券会社がいい?」「どの株を買えばいい?」「いくらから始めるべき?」と迷う人が多いのが実情です。
ここでは、初心者が最初に知っておくべきポイントから、実際に株を買うまでの流れを、わかりやすくステップ形式で解説します。
投資初心者がつまずきやすい3つのポイント
株式投資を始める際に多くの人がつまずくのは、以下の3つのポイントです。
| つまずきポイント | 内容 |
|---|---|
| ① 証券口座の種類 | 「一般口座」「特定口座」「NISA口座」の違いがわからない |
| ② 初期資金の決め方 | いくらから始めればいいのかが不明確 |
| ③ 銘柄の選び方 | どの企業の株を買えばいいのか判断できない |
これらはすべて「最初の準備段階」での迷いから生じます。
投資自体のリスクよりも、知識不足や誤解によってスタートラインに立てないケースが多いのです。
特にNISA(少額投資非課税制度)の拡充によって、「税金がかからないのは魅力的だけど、どう使えばいいのかわからない」という声も増えています。
株式投資を始める手順の全体像
まず、株式投資の全体の流れを整理しておきましょう。初心者が迷わないように、ステップ形式でまとめると以下の通りです。
- 投資目的を決める(短期利益か長期運用か)
- 証券口座を開設する(NISA・特定口座など)
- 入金して資金を準備する
- 銘柄を選定する(企業分析・配当・株主優待など)
- 注文方法を理解する(成行・指値)
- 購入後の管理を行う(チャート確認・決算情報)
- 売却と利益確定・税金処理
この流れを理解することで、どの段階で何をすべきかが明確になります。
投資目的を明確にすることが成功の第一歩
短期投資と長期投資の違い
投資を始める際に最初に決めるべきは「目的」です。
目的によって、買う銘柄・投資額・取引頻度がまったく変わります。
| 投資スタイル | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 短期投資(トレード) | 数日〜数週間で売買 | 短期間で利益を狙える | 知識と経験が必要、損失リスクが高い |
| 長期投資(積立・配当狙い) | 数年〜10年以上保有 | 安定的な資産形成ができる | 即効性がない |
初心者には「長期・積立・分散」が基本です。
特に新しいNISA制度を活用することで、非課税で効率的に資産を増やすことが可能になります。
証券口座の選び方|NISA・特定口座・一般口座の違い
株式投資を行うには、証券口座の開設が必要です。主な口座は3種類あり、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
| 口座種類 | 特徴 | 税金の扱い | 初心者おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 一般口座 | 自分で確定申告が必要 | 税計算・申告を自分で行う | ★☆☆☆☆ |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 証券会社が税金を自動計算 | 確定申告不要 | ★★★★★ |
| NISA口座 | 売却益・配当が非課税 | 投資枠に上限あり | ★★★★★ |
初心者は「特定口座(源泉徴収あり)+NISA口座」の併用が最もおすすめです。
NISAで非課税運用をしつつ、特定口座で通常取引をすれば、税金処理も自動で安心です。
証券会社を選ぶポイントとおすすめ比較
次に、どの証券会社で口座を開くかを決めましょう。
証券会社によって手数料や使いやすさが異なります。
ネット証券と店舗型証券の違い
| 種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ネット証券 | Web・アプリで完結 | 手数料が安い・スマホで取引可 | 対面サポートがない |
| 店舗型証券 | 支店で相談できる | 担当者に相談できる | 手数料が高め |
初心者にはネット証券が圧倒的におすすめです。
主要なネット証券には以下のような選択肢があります。
| 証券会社名 | 特徴 | NISA対応 | 手数料水準 | 使いやすさ |
|---|---|---|---|---|
| SBI証券 | 取扱商品が豊富 | 〇 | 安い | ◎ |
| 楽天証券 | 楽天ポイント連携 | 〇 | 安い | ◎ |
| 松井証券 | 初心者向けサポート | 〇 | 安い | ○ |
| PayPay証券 | 1,000円から買える | 〇 | やや高い | ◎ |
特に「SBI証券」と「楽天証券」は、手数料の安さとアプリの使いやすさから人気が高く、初心者でも迷いにくい選択肢です。
初期資金はいくら必要?目安と考え方
少額からでも始められる株式投資
株式投資というと「まとまったお金が必要」と思われがちですが、最近では1株から購入できるサービスも増えています。
たとえば、PayPay証券やSBIネオモバイル証券(現・SBI証券ネオモード)では、数百円から投資可能です。
| 投資スタイル | 必要資金の目安 | おすすめサービス |
|---|---|---|
| 少額分散投資 | 1,000〜10,000円 | PayPay証券、LINE証券 |
| 通常投資(単元株) | 50,000〜200,000円 | SBI証券、楽天証券 |
| 積立NISA | 月1,000円〜 | SBI・楽天・マネックス証券 |
重要なのは「無理のない範囲で長く続ける」ことです。
まずは少額から始め、投資の流れに慣れることを目標にしましょう。
銘柄選びの基本|リスクを減らす3つの視点
初心者が最初に買う株を選ぶときは、以下の3つの視点で考えると失敗しにくくなります。
① 業績が安定している企業を選ぶ
長期間にわたり黒字を続けている企業は、経営が安定しており株価の急落リスクが低いです。
財務情報は、各社のIRページや証券会社のアプリで確認できます。
② 配当金・株主優待がある企業を選ぶ
配当金は定期的な収益源になり、株主優待は生活の楽しみにもなります。
例:オリックス、KDDI、イオン、JT など。
③ 分散投資を意識する
1つの銘柄に集中すると、下落時のリスクが大きくなります。
業種・企業規模・国内外などに分散してリスクを抑えましょう。
株の買い方を理解しよう|成行・指値の違いと注文の流れ
成行注文と指値注文の違い
株式の購入方法には「成行(なりゆき)」と「指値(さしね)」があります。
| 注文方法 | 内容 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| 成行注文 | 現在の市場価格で即時に買う | すぐに取引が成立する | 価格を選べない |
| 指値注文 | 自分で決めた価格で注文する | 希望価格で買える | 成立しない場合がある |
初心者のうちは「成行注文」で購入しても問題ありませんが、相場が急変するタイミングでは、希望より高く買ってしまうリスクもあります。
ある程度慣れてきたら、「〇〇円になったら買う(または売る)」という指値注文を使うことで、落ち着いた取引が可能になります。
初めての株購入ステップ
株式の購入手順を簡単にまとめると、以下の流れになります。
- 証券口座にログイン
- 買いたい銘柄を検索(例:トヨタ自動車、ソニーグループなど)
- 「買い注文」を選択
- 株数と注文方法(成行・指値)を入力
- 注文内容を確認し、送信
- 約定(取引成立)を確認
スマホアプリを使えば、チャートを見ながらワンタップで注文できるため、初心者でも迷いにくい設計になっています。
初心者に人気の銘柄と特徴
株を選ぶときに迷ったら、まずは「身近な企業」から始めるのがポイントです。
普段から利用している企業の株なら、業績やニュースを追いやすく、興味を持って学べます。
| 分野 | 銘柄例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 通信 | KDDI、NTT | 安定した配当と優待が人気 |
| 小売 | イオン、セブン&アイHD | 優待で商品券などがもらえる |
| 金融 | 三菱UFJ、SBIホールディングス | 高配当・金融政策の影響を受けやすい |
| 自動車 | トヨタ、ホンダ | 世界的なブランド・業績安定 |
| 食品 | JT、味の素、キッコーマン | 景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄 |
これらは「安定感があり、長期保有向き」の企業が多く、配当金や優待が得られるため、投資を続けるモチベーションにもつながります。
NISAを活用して非課税で運用する方法
2024年から新NISAがスタートし、投資できる枠が拡大されました。
株式投資をするなら、NISAの利用は必須といえます。
NISAの主な特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 非課税枠 | 年間360万円(つみたて枠120万+成長投資枠240万) |
| 非課税期間 | 無期限 |
| 利用可能商品 | 上場株式、ETF、投資信託など |
| 併用 | つみたて枠と成長枠を併用可 |
| 口座開設数 | 1人1口座のみ(金融機関は年1回変更可) |
株式の売却益や配当金にかかる約20%の税金が非課税になるため、長期的にみると大きな差が出ます。
NISA活用のコツ
- 成長枠で個別株を購入
- つみたて枠で投資信託を積立
- 毎月自動買付設定を活用して放置運用
初心者は「NISA口座で少額から分散投資」を始めるのが、最も効率的な方法です。
株式投資のリスクと上手なリスク管理法
株式投資にはリターンがある一方で、当然リスクもあります。
主なリスクとその対策をまとめると以下の通りです。
| リスク | 内容 | 対策 |
|---|---|---|
| 価格変動リスク | 株価が下がる | 分散投資・長期保有 |
| 企業リスク | 会社業績の悪化 | 業績・決算の定期確認 |
| 流動性リスク | 売りたいときに売れない | 出来高の多い銘柄を選ぶ |
| 心理的リスク | 怖くなって売却 | 投資ルールを決めて感情を抑える |
初心者がやりがちなのは「短期的な値動きに一喜一憂する」こと。
株価が下がっても、焦らずに企業価値や中長期の成長性を見ることが大切です。
チャートの基本を理解して売買タイミングをつかむ
株価の動きを視覚的に理解するためには「チャート分析」が役立ちます。
難しく聞こえますが、まずは基本だけで十分です。
初心者が覚えるべき3つの指標
- 移動平均線(MA):一定期間の平均株価。上向きなら上昇傾向。
- 出来高:売買の量。出来高が増えると相場の注目度が高い。
- RSI:買われすぎ・売られすぎを示す指標。70以上は買われすぎ、30以下は売られすぎ。
これらをざっくり見られるようになるだけでも、「買い時」「売り時」を判断しやすくなります。
投資を続けるためのコツ|習慣化と情報収集
投資は「続けること」が何より重要です。
最初に大きな利益を出すよりも、長く続けて複利を育てる意識を持ちましょう。
継続のコツ
- 自動積立を設定して放置でも資産が増える仕組みを作る
- 家計簿アプリや投資管理アプリで進捗を見える化
- SNSやニュースアプリで最新情報を収集
- 月1回の振り返りで保有銘柄をチェック
特に「つみたてNISA」や「定期買付」を利用すると、買い忘れもなく、感情に左右されない投資ができます。
投資初心者がやってはいけないNG行動
失敗を防ぐために、次のような行動は避けましょう。
- 一気に大金を投じる
- SNSの「おすすめ銘柄」を鵜呑みにする
- 値上がりを期待して短期で頻繁に売買する
- 損が出た銘柄を焦って売る
- 無理な借金をして投資する
投資は「ギャンブル」ではありません。
「生活資金とは別の余剰資金で、時間を味方につける」ことが成功の近道です。
株式投資で得た利益の税金と確定申告
課税の基本
株式の利益には、次の2種類があります。
| 利益の種類 | 内容 | 税率 |
|---|---|---|
| 譲渡益(売却益) | 株を売って得た利益 | 約20.315% |
| 配当所得 | 企業からの配当金 | 約20.315% |
「特定口座(源泉徴収あり)」を使えば、自動で税金が差し引かれるため、確定申告は不要です。
ただし、NISA口座の利益は非課税なので、税金は一切かかりません。
節税のポイント
- NISAを優先的に使う
- 損失が出た年は「損益通算」や「繰越控除」を活用
- 複数口座を持つ場合は管理を統一しておく
最初の一歩を踏み出すためにやるべき3ステップ
ここまでの内容を踏まえ、初心者が今すぐ実行できるステップをまとめます。
- ネット証券でNISA口座を開設する
→ SBI証券または楽天証券がおすすめ - 月1万円のつみたて投資を始める
→ 投資信託・高配当株・ETFのいずれかを選ぶ - 3カ月間は「売らない」ルールを守る
→ 長期運用の姿勢を身につける
株式投資は、最初の「行動」によって未来が変わります。
知識を得るだけで満足せず、まずは小さく始めて経験を積みましょう。
まとめ|少額でも始めて「習慣化」することが成功の鍵
株式投資は、特別な知識や大きな資金がなくても始められます。
大切なのは、焦らず、分散して、長く続けること。
- NISAを活用して非課税で運用
- 信頼できるネット証券を選ぶ
- 配当・優待・長期保有を意識する
この3つを意識すれば、誰でも堅実に資産を育てることができます。
将来の自分のために、今日から一歩を踏み出しましょう。

