保険を活用した資産形成|学資保険・個人年金・終身保険の仕組みと選び方

保険を活用した資産形成をイメージしたイラスト。貯金箱、保険証券、グラフ、電卓などのモチーフで、貯蓄と安心を両立する資産形成のイメージを表現したデザイン。
目次

お金を「守りながら増やす」保険という選択肢

資産形成というと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「投資」や「NISA」でしょう。
しかし、投資に抵抗がある人や、リスクを取りすぎたくない人にとって、もうひとつの選択肢があります。
それが、**「保険を活用した資産形成」**です。

生命保険というと、「万が一の備え」や「医療費の保障」といったイメージが強いかもしれません。
ですが、保険には貯蓄性を持つ商品があり、計画的に積み立てながら将来の教育資金や老後資金を準備できます。

たとえば、

  • 子どもの教育資金を準備する「学資保険」
  • 老後に年金のように受け取れる「個人年金保険」
  • 長期的な積立で終身保障も兼ねた「終身保険」

これらは、いずれも“保険という形で資産形成を行う方法”です。
投資信託や株式のように値動きリスクを取らず、**「確実性を重視した資産形成」**をしたい人に向いています。


なぜ保険で資産形成を考える人が増えているのか

家計調査などでも、「保険を使って貯蓄をしている」と答える家庭は年々増加しています。
では、なぜ投資ではなく「保険」を選ぶ人が増えているのでしょうか?

1. 銀行預金だけではお金が増えない時代に

現在の銀行金利は、普通預金で年0.001%前後。
100万円を預けても1年で10円程度しか増えません。
この「超低金利時代」において、預金だけでは将来に向けた資産形成が難しくなっています。

その一方で、保険には「予定利率」と呼ばれる一定の利率があり、
長期間の契約を前提に、預金よりも高いリターンを得られるケースがあります。
特に外貨建てや長期積立型の保険は、インフレにも比較的強いという特徴を持っています。

2. 投資に比べてリスクが低く、計画的に積み立てられる

株式や投資信託は日々価格が変動します。
その点、保険は契約時に満期金や返戻金の金額が確定しているものも多いため、
リスクを抑えてコツコツ貯めたい人には安心感があります。

3. 税制面での優遇が受けられる

さらに見逃せないのが、保険には税制優遇制度があるという点です。
所得税や住民税の計算時に、保険料控除を受けられるため、
節税しながら資産形成ができるというメリットがあります。


保険を使った資産形成の3つの基本タイプ

ここからは、代表的な3つの保険タイプについて、目的や特徴を整理していきましょう。

保険の種類主な目的特徴向いている人
学資保険子どもの教育資金契約者(親)の死亡時に保険料免除。教育費を確実に準備できる。教育費を計画的に貯めたい家庭
個人年金保険老後の生活資金年金形式で受け取れる。受取時期を指定できる。老後に安定した収入を確保したい人
終身保険(貯蓄型)長期的な資産形成・相続対策死亡保障と貯蓄機能を兼ねる。解約返戻金を資産として活用可能。安定志向・相続対策を考える人

これらは、**「貯蓄+保障+税制優遇」**の3点を兼ね備えており、
安全性を重視する資産形成の選択肢として人気を集めています。


学資保険で教育資金を計画的に積み立てる

学資保険の仕組み

学資保険は、主に子どもの教育費を準備するための保険です。
契約者(親)が一定期間保険料を払い込み、
高校・大学入学時などに「祝い金」や「満期金」として受け取る仕組みです。

契約者に万が一のことがあった場合でも、以後の保険料が免除され、満期金は受け取れるという保障が特徴です。

メリットとデメリット

メリットデメリット
教育費を確実に積み立てられる途中解約すると元本割れのリスク
万一の際も教育資金が確保できる利率が低く、インフレに弱い
節税(生命保険料控除)の対象他の投資手段に比べて柔軟性が低い

学資保険を選ぶ際のポイント

  • 返戻率(支払額に対する受取額の割合)が100%を超えるか確認
  • 受取時期(入学・卒業)をライフプランに合わせて設定
  • 契約者が死亡・高度障害の場合の「払込免除特約」を確認

教育費は「子ども1人あたり1,000万円以上かかる」と言われる時代。
早めに準備を始めることで、将来の負担を大きく減らせます。


個人年金保険で老後資金をつくる

個人年金保険の仕組み

個人年金保険は、一定期間保険料を積み立て、
将来に年金形式で受け取るタイプの保険です。
「公的年金だけでは老後が不安」という人の自助努力型年金制度として注目されています。

受取期間には主に以下の3タイプがあります。

タイプ特徴
確定年金5年・10年など期間が決まっている。期間中に死亡しても家族が受け取れる。
終身年金一生涯受け取れるが、途中で亡くなった場合は支給終了。
有期年金(保証期間付き)一定期間は保証され、その後は終身受取可能なハイブリッド型。

節税メリット

個人年金保険に加入すると、「個人年金保険料控除」を受けられます。
年間最大で所得税4万円、住民税2.8万円が控除対象となり、
実質的に保険料の一部が“税金で戻ってくる”仕組みです。

たとえば年収500万円の人なら、年間数千円〜1万円程度の節税効果が期待できます。

注意点

  • 解約返戻金が増えるのは10年以上経ってから(短期解約は不利)
  • インフレ時には実質価値が下がるリスクがある
  • 外貨建ての場合は為替リスクにも注意

終身保険で「保障」と「貯蓄」を両立する

終身保険は、一生涯の死亡保障貯蓄機能を兼ね備えた保険です。
「掛け捨てではもったいない」と感じる人や、「老後・相続対策を兼ねたい」人に選ばれています。

終身保険の仕組み

契約期間に制限がなく、被保険者が亡くなった時点で必ず保険金が支払われます。
また、長期間契約を続けることで解約返戻金が増加し、
必要に応じて「解約して現金化」「保険金で相続対策」といった活用も可能です。

終身保険のタイプ比較

タイプ特徴向いている人
定額型終身保険解約返戻金・死亡保険金が固定されており、安定性が高い安定志向・相続対策を重視する人
外貨建て終身保険為替によって返戻金が変動。利率が高い傾向長期運用を考える人
低解約返戻金型終身保険一定期間は返戻金が少ないが、長期継続で高い返戻率解約する予定がない人

終身保険は、「守りながら増やす」ことができる代表的な貯蓄型保険といえます。
特に相続対策として、500万円×法定相続人の非課税枠を活用する手法は定番です。

保険を使った資産形成の実例とシミュレーション

実際に、保険を活用して資産形成を行っている人はどのように運用しているのでしょうか。
ここでは3つの代表的なケースを紹介します。


事例①:教育資金を確実に貯めたい30代夫婦のケース

Aさん(35歳)は、2歳の子どもの将来の教育資金が心配でした。
学資保険を検討したところ、以下のプランに加入。

  • 契約者:父(35歳)
  • 保険期間:18年
  • 月額保険料:15,000円
  • 受取総額:330万円
  • 支払総額:約310万円

大学入学時に満期金として330万円を受け取れる見込みで、返戻率は106%
銀行預金よりも効率的に教育資金を準備できる上、
契約者に万が一のことがあっても保険料は免除される安心感がありました。

Aさんは「貯金が苦手だったけれど、保険料の自動引き落としで自然に積立できた」と話しています。


事例②:老後の安定収入を確保したい40代会社員のケース

Bさん(45歳・会社員)は、公的年金だけでは不安を感じ、個人年金保険を活用。

  • 保険料:月20,000円
  • 払込期間:15年
  • 受取期間:65歳から10年間(確定年金)
  • 受取総額:約270万円
  • 支払総額:約240万円

15年間積み立てることで、老後に10年間安定した収入を確保できる形です。
さらに、個人年金保険料控除により年間数千円の節税効果もあり、
「税金を減らしながら老後資金を準備できる」点にメリットを感じています。


事例③:相続対策を兼ねた終身保険で資産を残すケース

Cさん(60歳・自営業)は、将来の相続税を心配して終身保険に加入。

  • 保険金:1,000万円
  • 一時払い保険料:800万円
  • 返戻率:約125%(80歳時点)

契約後20年で解約すれば1,000万円超の返戻金が得られるほか、
万が一のときには遺族が非課税枠内で保険金を受け取れる仕組み。
金融機関の預金よりも効率的に資産を移転でき、相続対策と運用を兼ねた手段として有効です。


保険と投資をどう使い分けるべきか

「保険で資産形成できるなら、投資はいらないの?」
そう考える人も多いですが、実際はどちらも組み合わせるのが理想的です。

比較項目保険(貯蓄型)投資(株式・投信など)
リスク低(元本確保型)高(値動きあり)
リターン安定的・控えめ変動あり・高リターンも可能
流動性低(途中解約は不利)高(売却可能)
目的教育資金・老後資金・相続資産拡大・運用収益
税制メリット保険料控除・相続税非課税枠NISA・iDeCoなどの非課税制度

このように、保険は「守りの資産形成」、投資は「攻めの資産形成」と位置づけられます。
たとえば、老後資金の半分を個人年金保険で確保し、残りをNISAで運用するという組み合わせが効果的です。


保険を選ぶ前に知っておきたい注意点

1. 元本割れのリスクがある

途中で解約すると、支払った保険料よりも返戻金が少なくなる場合があります。
短期での解約は損失になるため、「長期で続けられる金額」に設定することが重要です。

2. インフレへの備えを忘れずに

保険は契約時に満期金額が固定されるものが多く、
物価が上昇すると実質的な価値が下がる可能性があります。
「外貨建て」や「変額保険」など、インフレ対応型の商品を検討するのも一案です。

3. 手数料・為替リスクをチェック

外貨建て保険の場合、為替手数料や為替変動によって受取額が減ることがあります。
契約前に**返戻率(円ベース)**を必ず確認しましょう。


今日からできる保険を使った資産形成ステップ

ここからは、初心者でも実践できるステップを紹介します。
「保険を資産形成のひとつに取り入れたい」と思ったら、以下の流れを意識してください。


ステップ①:目的を明確にする

まずは「何のために貯めたいのか」を明確にします。
目的によって選ぶ保険が異なります。

  • 教育費 → 学資保険
  • 老後資金 → 個人年金保険
  • 相続対策・終身保障 → 終身保険

漠然と貯めるのではなく、「いつ」「いくら必要か」を設定しましょう。


ステップ②:複数の保険を比較する

同じタイプの保険でも、返戻率や保障内容は保険会社によって大きく異なります。
特に、返戻率が100%を超える商品は要チェックです。
比較サイトや無料相談サービスを活用して、複数社を見比べるのがおすすめです。


ステップ③:長期的に続けられる金額を設定する

無理な金額設定は途中解約につながりやすくなります。
毎月の保険料は「収入の5〜10%」を目安に設定すると、無理なく続けやすいです。


ステップ④:定期的に見直す

ライフステージが変わると必要な保障や積立額も変化します。
子どもの成長や収入変化に応じて、3〜5年ごとに見直しましょう。


保険を活用した資産形成のまとめ

  • 保険は「保障+貯蓄+節税」を兼ね備えた資産形成手段
  • 学資保険は教育費、個人年金保険は老後資金、終身保険は相続・長期運用に最適
  • 投資と併用することで、リスクを分散しながら安定的に資産を増やせる
  • 長期契約・目的設定・定期見直しが成功のポイント

保険は“守りながら増やす”ための有力な選択肢です。
リスクを取りすぎずに着実に資産を育てたい人は、
ぜひ保険を資産形成の一部として取り入れてみてください。

目次